学生チーム

「学生チームは、高校生チームとして2012年11月に発足。「国会事故調を出発点とし、学生に『社会のシステム』を考える機会を共有する」という共通テーマのもとでさまざまな活動を行っています!」

2015年1月~3月
「高校生【福島県×首都圏】次世代プロジェクト」

高校生【福島県×首都圏】次世代プロジェクト第一回(首都圏編)は阪神淡路大震災から20年目の2015年1月17日に行いました。わかりやすいプロジェクト高校生チームからは首都圏メンバーと福島県メンバーが一名参加、短い呼びかけ期間にもかかわらず首都圏の複数校の高校生の皆さんが集まってくださいました。ゆる~いアイスブレイクのあと、日本赤十字社さんからお借りした避難所運営ゲーム(HUG)にチャレンジ。短い時間の間に一生懸命考えて疲れたところで、福島メンバーが買ってきてくれた福島銘菓でちょっと休憩。わかりやすいPJ/次世代プロジェクトの説明に加えて、11日に行った次世代プロジェクト福島県編の報告。そのあとみんなが未来を知った状況でタイムスリップしたらなにをするかを話し合いました(「タイムスリップ・ダイアログ」(仮称))。
今回は首都圏の高校生が今何を感じているか、を福島メンバーも参加して共有・対話することでたくさんのことを考えることができました。

日本語版

英語字幕版


20150428 NHK World NewsRoom の「FOCUS」コーナー。

今年1月~3月に取り組んだ次世代プロジェクトでの活動が取り上げられました。ぜひご覧ください。

http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/newsroomtokyo/aired/20150428.html


特別プレゼンテーション「MESSAGE FROM THE FUTURE」 2014年10月27日 第3回原子力災害対策関係国赤十字社会議

プレゼン当日の高校生メンバー

プレゼン当日の高校生メンバー

2014年6月、日本赤十字社と共同で「The 1st Step from Fukushima Project」を立ち上げました。
このプロジェクトの一環として、8月に原発事故を福島からみた視点と「国会事故調報告書」には書かれていない事実 を理解するために、3.11に実際に関わった方たちのお話を聞くワークショップを福島で開催しました。

ワークショップではいろいろな事実を聞くことができました。多くのお話が、原子力災害に対する事前の備えがなかったことが、結果として原発事故直後の被害と混乱をより大きくする原因につながったことを物語っていました。例えば、日本赤十字社の災害医療救護チームは、原子力災害時の活動ガイドラインがなかったため、被災者に十分な救護活動を提供することができませんでした。
また、福島の方たちが現在直面している多くの困難な状況も聞くことができました。震災関連死者数が地震や津波を直接の原因とする死者の数を上回ったことを知りショックを受けました。いつ帰れるか見通しがつかない中での仮設住宅での長い生活が、被災者の生活を脅かしています。
他にも福島での複雑で難しい状況を知ることになりました。福島では、人間関係を壊しかねないことから3.11について話さないことが当たり前になっています。そして3.11について関心が無くほとんど忘れられつつある日本のほかの地域と同じように、福島においても3.11は人々の記憶から消えつつあります。福島の方々が3.11に関する話題を避けたい気持ちは理解できます。
でも同時に、同様の事故を繰り返さないためには、事故のことを忘れないようにすることが大切です。
福島第一原発事故の教訓をすべての人類が共有できる遺産とするためには、私たちの経験を話し合い伝えることが必要だと考えます。

高校生メンバーと日本赤十字社近衛社長

高校生メンバーと日本赤十字社近衛社長

また、発電所内での作業リスクが非常に高くなった3.11以降においても、高校を卒業した私たちと同世代の若者が、福島第一原発での仕事を選んでいることを聞いてショックを受けました。
なぜ?
事故は(私たちの同世代の)彼らのせいではないではないか?
大人の世代がやるべきなのではないのか?
「大人ができないなら、自分たちがやるしかない。」と、若い作業員が話していたと聞きました。
この言葉に私たちは目が覚めました。そして、私たちも福島における問題を「自分事」として考えるべきなんだと気づきました。私たち若い世代も、目の前の課題と向き合い始めなければならないのです。

今日の発表の目的は、福島の経験を説明することだけではなく、「The 1st Step from Fukushima Project」によって私たちのマインドセットがどのように変わったのかを伝えることです。福島での問題は、もう「他⼈事」として無視することはできない問題だと考えるようになったのです。

国際赤十字・赤新月社の皆さんに、原子力災害に対しての備えをお願いしたいと思います。皆さんが紛争や自然災害で人々を助けてきた経験や積み重ねてきた専門知識を、ガイドラインの作成に活かしてください。世界を変えていく連鎖を起す上で、皆さんがリーダーシップを発揮されることを期待しています。
私たち高校生は、今私たちにできることをします。私たちはこれからも、私たちや私たちの将来、そして世界に対して責任を持つために、自分たちは何ができるのかを考えて行動していきます。

プレゼンテーションスライド(英語のみ)[PDF]

プレゼンテーション(音声のみ)[MP3]

日本赤十字社:
http://ndrc.jrc.or.jp/special/3rgm-snaiic-top/