2015年8月31日 河北新報「河北抄」コラム掲載

2015年8月31日 河北新報「河北抄」コラムが掲載されました。
国会事故調を出発点に世代を超えて「社会のシステム」について「考える場」を模索する「わかりやすいプロジェクト」には「シティズンシップ=主権者学習(≠教育)」としての意義もあると新たな気付きを賜りました!

コラム
福島第1原発事故の後、事務局メンバーとして国会事故調査委員会に参加した石橋哲さん(51)は来月、福島市と郡山市で相次いで高校生らと対話する。有権者が18歳以上になることに伴う「主権者教育」の一環だが、教材に事故調が3年前にまとめた報告書を使う。
「原発事故の原因は原子力を扱う者の無知と慢心。考えることをやめてしまっていた」。思考停止という慢性病は「国では新国立競技場の問題をもたらし、東芝という会社では利益水増しにつながったと言えます」と石橋さん。
原発事故は「日常に根深く巣くう思考停止の病理現象を、極めて分かりやすく示してくれる」という最適のテキスト。国会事故調の報告書をしっかり読みこなす「ガチ輪読会」を昨年から続けている高校生グループもいるという。
石橋さんは東京でコンサルティング会社を経営しながら活動中。各地で将来の有権者と対話しているが、「肝心の国会議員は満足に報告書を読んでいない気がする」。故意か偶然か、すぐ忘れ去るのもこの国の政治の慢性病の一つ。(2015・8・31)